キッズデザイン with デンマークにAppToysのこれからを見た

キッズデザインに関する理解なしにはMoff(*1)のプロダクト開発できないということもあって、

大阪のATCで開催された「11/2(土) フォーラム"キッズデザイン" with デンマーク 」というイベントに参加してきました。

(* Moffのプロダクトは今のところ子ども向けのプロダクトです。)

 

Vinay Venkatraman氏の「デンマークデザインとキッズデザイン」が非常に面白かったので、紹介させていただきたいと思います。

 

Vinay Venkatramanは、leapcraftのCEOで、大手企業のクライアントと仕事をしています。
デンマーク大使館から紹介で今回来ていただけたそうです。
TEDFrugal Digitalという研究グループなどでの実績もあるそうです。

 

以下から氏のプレゼンの内容です。

 

デンマーク代表ブランドのLEGOは、最初は木の玩具の会社でした。

そして、最新のものを取り入れてきました。
技術がどのように遊びの中でどのように取り入れたか事例を紹介します。

話は、2部構成で、
前半はデザイン哲学について、
後半は事例を動画で紹介します。

【前半】

まず、leapcraft社について。

leapcraft社のコンセプト哲学は、「 User centered innovation」です。

 

ProductsとSoftwareとService の3つのデザインが重要で、
どれかが1番重要というのではなく、Holistic(全体アプローチ)が大事です。

Big Data/Deep Science/Social Technology Trends(SNS, IoT, Sensors)
これらをうまくすすめるにはコラボレーションが必要です。

 


さて、どうやってやるかという話ですが、

次の3つの考えが大事です。

 

Design methods + Technology thinking + Research rigor 

 

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Co-Creation

Co-Creationは、最も大事にしている姿勢です。
商品開発はよりいっそう複雑化している。
様々なバックグラウンドを持った人がいかに協力し合えるか問われる時代です。


Early Validation
早く検証することを大事にしている。
試作品作りは、最先端技術だっても、試作品は紙など単純な方法で行うことがほとんどです。
写真は、造船関係の試作品です。

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Cross Disciplinary
様々なバックグラウンド、つまり多様性を重視しています。
Language / Cultureが様々な人材が集まってleapcraftは仕事をしています。
例えば、Computer Science / Social Science / Product Design / Educationalなどです。

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Idea management
アイデアを管理していくスキルが大事です。
デザインをどうやって説明していくのか、どうプロジェクトにつなげていくのかです。

Rapid Prototyping
楽しくやっていくのが大事です。
クリエイティブに迅速に対応するのが大事です。

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写真の左のものは、日常よく目にするパーキングメーターですね。

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左から順に見ていくと、金属だったのが、ソフトウェア内蔵の電子機器になり、スマホアプリになってきています。
デンマークには、真ん中の写真のパーキングメータはなくなってきていて、スマホアプリになってきています。
工業デザインからインタラクションデザインへ、そしてデータ管理へと変化してきています。
これまでと同様に美しい造形美は考える必要があるが、新しいデザイナーが必要になってきています。
素材をみてみても、金属からシリコン素材へ、そしてクラウドで管理するように。
一連の流れの中で、データを扱い、バーチャルな世界を扱うデザイナが求められます。
もちろん、物体を作るデザインは引き続き必要で求められるが、バーチャルの管理が求められます。

 

 

【後半】

ここからは、Projectsの紹介です。


パラダイム・シフト、大きな命題に向かっていく必要があります。

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デザインを手がけたラジオを紹介します。
100年前の発明品。日常生活での使い方は変わっていません。
ここに挑戦しようと思いました。




このビデオを見て、突拍子もないアイデアかと思ったかもしれないが、技術がそこになければ開発していくという姿勢で取り組みました。
まず、試作として、「紙に挟む」と動くものから作りました。
数ヶ月後、紙の性質を利用して、何ページ目にあるかがわかるものを開発できました。
それを踏まえて試作品を作りました。

本の形をしたもので、技術の部分は見えません。

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次のビデオは、子ども向けのARです。

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車の中で遊べるものをつくりました。
車の中は子どもにとって退屈だけど、楽しくて教育的な体験の時間にしようとしました。
これは、トヨタとのプロジェクトです。
ものの距離がわかったり、言葉を学べたりします。

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もう一つ、デジタルストレージです。

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子どもの成長が収められるカメラです。
子ども本人よりデジカメやiPadに目を向ける親が増えています。
子どもを撮影しようと思わなくてもいいシステムを考えました。
過去に立ち戻って好きな写真をあとから選べるということです。
カメラの撮影にとらわれうことがないものです。
クラウドベースで写真は管理され、家族と共有できます。
この技術は新しいものではない。監視カメラでも使われてきたものです。
監視カメラの技術があるので、それをより身近な生活に持ち込みました。
新しい技術の開発も大事だが、日常生活の文脈にどう持ち込んでいくのかデザインは重要です。

 

 

 

 

 

最近のトレンドとして、センサ技術があります。
高性能のセンサが安くなってきて、玩具やゲーム産業へチャンスが広がっています。
リモコンの車をつくりました。
実際に自分が操縦しているかのような体験を提供します。
子どもの時は非常に楽しかった記憶ありますよね。自分が操作してる感覚を得られるものはなかった。

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最後はカメラビジョンです。

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Mixed Reality Applicationsです。
Google Glassは一つの例で、我々の生活にいかに溶け込んでいくかを考えねばなりません。
現実の世界に仮想世界を持ち込むというものです。
ゲームをゲーム機の中から部屋に持ち込もうというものです。
日本なので、スーパマリオだろうというのでそれをつくりました。

 

 

 

どの事例を見ても、最近よく目にする技術だし、自分たちが取り組んでる技術です。

特に、センサの話のところは、まさにMoffでやってる領域に近いです。

デザインの最先端で活躍するデザイナが携わると、技術を日常にとけこませる事がここまでできるようになるんだなと、創造力や感性はこれからますますじゅうようになるなと痛感しました。 

 

MoffでもGOB-Laboratoryさんご協力のもとデザイン思考の考えを取り入れて、今のプロダクトコンセプトが生まれました。

それを解決するプロダクト作りには、リーンスタートアップの考えを取り入れて実践しています。

子どもにプロダクトを使ってもらって観察もしています。 

 

Vinay氏が言うには、子ども向けの製品開発における研究は非常に難しいとのこと。

なので、試作品を早くつくり、子どもに与えて観察することが重要であると。

子どもがそれをどう使うのか、どう発展させていくのかを観察することが重要であると。

 

まさに、自分たちがやってることで、確かにという感じでした。

 これからもがんばっていきたいと思います。

 

最後に、このスライドがとってもいいな〜と思いました。 

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